学科以外のお勉強、受験の話、教育の話、その他いろいろな情報を掲載。ペットやお出かけ情報など、何でもあり。子どもたちはもちろん、保護者様にも見ていただきたい内容です。

013 ありがとう、ビリー隊長!

(2020/04/02)
前回の012号(2020/03/24掲載)で、十数年ぶりに「ビリーズ・ブートキャンプ」で体を動かし始めたことをお伝えしましたが、

ナント!
10日ほどで2.5キロの体重減ではありませんかぁ!!!!!!!!!!
ムムム、嬉しすぎるぅ!(^^)!

2日運動、1日休み程度のペースで、しかも1回約15分。
こんなので、この結果。
いやぁ、ホントに素晴らしい。

Billy’s Boot Camp is so nice!
What would I do without it!
Thank you sooooo much, Billy!

ビリー隊長に心からお礼申し上げます。

はけなくなったズボンをだいぶ捨てたのですが、残りはもう少し置いておこうと思います。また活躍してくれることを期待して…(^^;

012 ビリー隊長!

(2020/03/24)
皆さん、春の陽気ですね。いかがおすごしですか?

…と、本来ならば、こんなのんびりした感じでスタートしたいところですが、今年は新型コロナ・ウィルスのおかげで、いかがも何も…って感じですよね。テレビを見ても連日コロナのニュースばかりで、おまけに東京五輪は延期か?とか言ってるし。これじゃ、人生ゲームの最終場面に、「コロナにかかって死ぬ」「コロナによる経済ダメージを受けて死ぬ」ってマスが追加されたような気分になります。

かといって、あまり騒ぎすぎるのもどうかとは思いますが、家庭教師という仕事柄、生徒宅を訪問するので、最低限のことだけは対策しておこうと思い、今は生徒宅訪問の前後に手指の消毒を行っています。テレビ画面に映る防護服姿の医療関係者を見ていると、こんなことしても…と内心思いながらも、自分が広げる側にだけはなってはいけないという思いで、消毒を実施しています。ホント、早く終息してほしいですね。

さて、コロナが猛威を振るおうが、インフルが大流行しようが、そんなこととは関係なく、毎年この時期の我が家の経済は大不況です(^^; 家庭教師という仕事は、入試が終わると生徒がほとんどいなくなるので、この時期は学生アルバイトと収入を競えるぐらいに財布は冷え込むわけです。(おぃ、コロナなんか来なくても、春の陽気なんて言ってる場合じゃないじゃねぇかぁ!?)そんな外はポカポカ、内は冷え冷えの今日この頃、毎日家でヒマをして、ストレス貯蓄がマックスになっている娘とウォーキングに出かけることにしました。30分程度の散歩ですが、最後は目の前の公園の小さな山を登るという、しょうもないクライマックスを設定しています(*^^)v 小さな山でもけっこうな急斜面で、通常コースの階段では面白くないので、あえて道なき道を進み、崖(?)を登ることにして、ちょっとしたレンジャー気分を味わっております。

どこの家庭も子供のストレス発散をどうするかで困っているようですね。そんな中、ニュースで懐かしいヤツの姿が…マッチョの黒人で、ギラギラした目つきで、One more set!とか言いながら、息を切らすことすらなく、ひたすら体をイジメ抜く。ビリー隊長ではあ~りませんかぁ!! 相変わらず“いかつい”お姿で、とても60歳と越えているとは思えない肉体でした。何でビリー隊長が?と思ってテレビに食らいつくと、なんと、コロナのせいで家でやることがなくなった子どもたちの有り余る体力を消耗させるために(体力づくりという体ではありますが)、再びビリーズブートキャンプが流行っているとか!ビリーにいそしむ子どもたちの動画がネットにたくさん上がっているそうな。ヒマって恐ろしい。こんなアイデアを思いつかせるのか!?と感心していると、ムムム、ちょっと待てよ!ウチにもビリーズブートキャンプあったぞぉ!! 本棚の一番下の段でほこりをかぶっていたDVDを取り出し、「ビリー隊長、再びお世話になります!」とご挨拶を申し上げたのでした。

隊長の教え、いや拷問は、50分も続くのですが、さすがに最後まで拷問を受け続けると仕事の時にペンを握る手がプルプル蒟蒻(こんにゃく)ゼリーのように震えそうだったので、手始めに毎日15分のエクササイズから始めることにしました。まっ、15分でも蒟蒻ゼリーなんですけどね(;^_^A とりあえず、コロナより成人病の方が怖いので、仕事に支障のない程度に運動を始めました。

ビリー隊長、お腹の蒟蒻ゼリーをどうにかしてくださ~~~い!!

011 死ぬかと思ったぁ!

(2019/06/17)
5月13日の夕方16時ごろ、夜の授業の準備をしていると、なんだか熱っぽい。そのまま準備を続けていると、どんどん熱が高くなってくるように感じる。18時になって、これはマズイと思い、体温計で熱を測ると40.2度!歩くのも難しい状態になっている。夜の授業の生徒には授業を別の日に振り替えてもらい、解熱剤を飲む。1時間後、39度台まで熱が下がり、なんとか車を運転できそうだったので、かかりつけ医に駆け込む。

マエ:「そういえば…前の日に食べたうどんが、まったく消化されている気がしなくて、いまだにお腹に残っている感じがするんですけど…」

私の腹部に聴診器を当てながら、お医者様は「腸が全く動いていないですねぇ。」すぐにレントゲン、CT、採血になだれ込む。

お医者様:「う~ん、やっぱり腸がストップしてますねぇ。」

と言うと、血液検査の結果をながめてお医者様の顔が一気にこわばった。

お医者様:「細菌感染かウィルス感染かわからんけど、とにかくとんでもない炎症が起こってるんやろうなぁ。こんな数値めったに見ませんよ。腸が動いてなくて、お腹がこれだけ張ってるってことは、イレウスの可能性があるかな。」

マエ:「イレウス、、、腸閉塞ってことですか?」
お医者様:「そうやね。こりゃ、絶対安静やわ!」
マエ:「はぁ。。。」
お医者様:「今日は泊まりやね。一晩入院!」
マエ:「げっ、マジですかぁ?」
お医者様:「マジ、マジ。腸が破裂でもしたら命にかかわるしね。炎症もくい止めんとアカンし。」
マエ:「血液の炎症レベルが高いってことは、炎症をこのまま放っておいたら、敗血症とかになるかも、ってことですね。」
お医者様:「そういうことやね。とにかく、今からすぐに点滴して、まずは炎症レベルをさげましょう。」
マエ:「で、点滴して明日はどうなるんですか?」
お医者様:「イレウスの可能性がある以上、うちで観るよりは、消化器系の専門医に見てもらった方がええねぇ。うち、循環器が専門やから。西神戸医療センターに転院してもらうことになりますねぇ。」

こうして、病室で点滴を抱えて一晩過ごすことになった。

翌朝、熱は37度台まで下がった。炎症レベルも命を脅かすほどではなくなった。こうして、西神戸医療センターへ転院。またまた検査の嵐!

で、、、で、、、?
イレウスだったのか?

それが、幸いにもイレウスではなかったらしい。イレウスにより炎症が起きていたのではなく、むしろ逆で、細菌感染症により腸の働きが極端に弱っていたそうな。もちろん、それを放っておくと、イレウスになったりするので、このタイミングで処置したのは大正解だったわけです。とはいえ、原因は不明のまま!心当たりと言えば、数日前に「親知らず」の周りの歯茎が軽い炎症を起こしていた、、、ってことぐらいかな。感染症ってのは、虫歯からでもなるって言うし、恐ろしいっすね。

マエ先生の父親は、
カゼ→肺炎→敗血症→天国
という最短コースで、ものの数日のうちにこの世を去りました。

ちょっとした炎症でも処置するタイミングを間違えるととんでもないことになるので、気をつけましょう!

【追伸】
結局、3日間のお休みをいただきました。振替授業にご協力いただいた生徒と保護者様には感謝申し上げます。

010 自習室の“残念さん”

(2018/09/27)
夏休みも終わり、あっという間に1か月が過ぎようとしています。多くの受験生がこの夏、塾や予備校の夏期講習に参加したりして、自宅以外で学習する機会も多かったのではないかと思います。夏期講習に参加すると、朝から塾や予備校に行き、授業後や授業と授業の間に自習室を利用する機会が増えますね。2学期になると、その流れで自習室利用者の数が多くなります。皆さんは、上手に自習室を利用できていますか?今日は自習室の残念な利用例についてお話しようと思います。

(1) 自習室にカバンを置いたらすぐに部屋を出ていく残念さん(-_-;)

自習室の場所取りは熾烈(しれつ)を極める。よくあることです。とりあえず、座席だけでも確保しようというのはわかるのですが、自習室にカバンを置いてすぐに部屋を出ていく人には“残念さん”が多いと思います。席を確保してからコンビニなどへ飲食物を買いに出る。それがダメなわけではないのですが、問題はそれに友達と同伴で外に出る場合です。本当なら10分で戻ってこられるはずが、ついつい30分なんてことも。平日に5回自習室を利用するなら、これで1か月に400分のロスですよ。残念!!

(2) ドアが開くたびにキョロキョロする残念さん(-_-;)

おぉ、勉強してるじゃなか…と思って見ていると、自習室のドアが開いた途端に「チラッ」。それで終わるならまだいいとして、その子が知り合いなら「おぅ!」とか言って声をかける。とにかく、人が入ってくるたびにキョロキョロして、ちっとも集中できない。おいおい、英語の長文を読んでる途中なんじゃないのかぁ!残念!!

(3) “I’m just looking!!”な残念さん(-_-;)

中学2年生の英語で習いますよね。買い物での会話。
【店員】:May I help you?(いらっしゃいませ。)
【客】:I’m just looking. Thank you. (見てるだけです。ありがとう。)
これと同じかも。
【マエ先生】:You are working hard, aren’t you? (がんばってるね。)
【生徒】:I’m just looking. Thank you.(見てるだけです。ありがとう。)
え?単語帳、見てるだけ?自習室でその返事はマズイでしょう。1時間も机に向かっているのはエライんだけど、ただ単語帳をながめてるだけではいけません。単語の暗記は、書いたり、聞いたり、発音したり、さまざまな感覚を活用しないと。単語を覚えるのが上手な生徒は、自習室利用中でも、単語の暗記の時だけは自習室を離れて、外で小声で単語を口ずさんだりしていますよ。“I’m just looking.”ではムリでしょう。残念!!

(4) コスパ無視な残念さん(-_-;)

「自習室だとよく勉強できる」といって足しげく塾や予備校に通う。もちろん、悪いことではありません。ただし、それは「自宅<自習室」が成り立つときの話です。そもそも、自宅でも自習室でもきちんと勉強できるのなら、わざわざ自習室に行く必要などありません。自宅では誘惑が多くて勉強できないなどの理由があって、自習室の方が明らかに勉強できるという人以外は、授業もないのに自習室のために塾や予備校に行くのはコスト高ですよ。移動時間、労力、交通費や飲食代。勉強のコスパ、考えたことありますか?残念!!

(5) 自習室を“マン喫”な残念さん(-_-;)

自習室って、漫画好きにはある意味“天国”なんでしょうね。漫画を読むためにわざわざ自習室に来るのはもってのほかですが、ちょっと休憩と思ってズルズル漫画を満喫してしまう人がいます。もちろん、スマホで動画もダメですよ(授業動画を見るなどは自習室のルールの範囲で許されますが)。自習室は勉強を満喫するとことです!“マン喫”ではありません!残念!!

皆さんは残念さんにならないでくださいね。こういう残念さんは、受験に失敗しても、まさかそんなところに失敗の理由があるなんて考えもしません。学校や塾、予備校のせいにする前に、まずは自分の行動の残念さに気づかないと、また同じことを繰り返すことになります。成功の理由も失敗の理由も、小さなことの積み重ねであることを忘れないでください。

009 熱中症にご用心!

(2018/06/09)
梅雨になりましたねぇ。気温が30度を超える日もちらほら。我が家の熱中症警告サインも「危険」を示すことが増えました。今回のテーマはその熱中症。自分は大丈夫と思わずに、気を付けてくださいね!

実は、マエ先生、昨年も一昨年も熱中症になりました!

マエ先生は熱中症のベテラン?常連?…何と言っていいかわかりませんが、とにかく慣れっこです。自律神経系の異常で体温調節がうまくいかないため、どんなに対策しても長く日光を浴びると発症してしまいます。昨年は娘の水泳の試合を見に行って発症。熱中症素人の皆さんは、今日ここで熱中症についてちょっとお勉強してください。もちろん、マエ先生は医者ではないので、専門的なことは言えませんのであしからず。では、スタート!

■ 熱中症って何?

そもそも熱中症ってどういう状態を言うのでしょうか?簡単に言うと、「体内に熱がたまって、体温調整ができなくなった状態。また、それによって体のさまざまな部分が異常な状態になること」だと言えます。

人間の体温はだいたい36度前後ですよね。40度のお風呂に入った時も、25度のプールに入った時も、多少の変化はあるとはいえ平熱が保たれます。運動をすると一時的に体温が上昇します。それを元に戻して36度前後の平熱を保つために汗をかきます。汗は蒸発するときに体温を奪います。だから、汗を拭かずに放っておくと体が冷えるのです。このようにして、人間は自分で体温を一定に保っています。その機能が崩れて、体に体温がこもることを熱中症といいます。

■ 熱中症って怖いの?

テレビで、熱中症で病院に運ばれたとか、熱中症でお年寄りが亡くなったとかいうニュースを見たことがあるでしょう。熱中症は時に人の命を奪うほど怖いものです。

皆さんは「昭和の」体温計を見たことがありますか?デジタル表記(液晶画面に数字で体温が表記されるタイプ)でなく、理科室にある棒温度計のような、液体(水銀)が体温に合わせて上下するタイプの体温計です。水銀体温計が家にあるという人はよく見てください。目盛りが42度までしかないのに気づきませんか?その理由は、42度を超えるような高熱の状態では、正確に体温を計測することにあまり意味がないからです。つまり、人は42度を超える体温では生死にかかわる状態にあるということになります。(必ず死ぬと言っているのではありません。)そう考えると、熱中症の恐ろしさが少しわかってもらえたでしょうか。

■ 熱中症の対策は?

熱中症にならないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

① 水分をこまめにとる
② 塩分をほどよくとる
③ 十分な睡眠をとる
④ 食事でしっかり栄養をとる

ごく当たり前のことばかりです。でも、意識して理想的な状況を作るのは簡単ではありません。特に子どもは①②に気をつけましょう。運動や遊びに夢中になり、水分補給(同時に塩分補給)がおろそかになりがちです。また、勉強に真剣に取り組むあまり、2~3時間水分補給なしで机に向かう受験生もいます。そういうことのないように、こまめに水分をとるようにしてください。500mLのペットボトルを一気飲みするようなことはせず、200mL程度を20~30分に1回程度とるようにします。その際は塩分補給も大切です。運動時はスポーツ飲料がいいですね。でも、部屋の中で過ごすだけなのに日常的にスポーツ飲料を飲み続けるのは問題です。逆に塩分をとりすぎたり、カロリーをとりすぎたりするからです。室内ではスポーツ飲料とお茶などをうまく組み合わせましょう。梅干しが苦にならないのなら、梅干しを1~2個食べるのも悪くありません。

保護者のみなさんは、④の食事でしっかりお子様をサポートしてあげてください。熱中症に限らず、健康な体作りの基本ですので。

以上に4つの対策をあげましたが、その前にもっと大切なことがあります。体に熱を取り入れすぎないようにすることです。可能な限りですが、長時間日光を浴びない。長時間蒸し暑い部屋にいないなどです。寝るときにエアコンを使うかどうかもよく考えましょう。

■ 熱中症になったら?(なりそうになったら?)

体が熱くなって熱中症が心配になった場合、あるいは実際に熱中症になった場合の対処法です。まず、シャワーや風呂がある場合は20分程度水で体を冷やします。あまり長く体を冷やしすぎると、お腹をこわしたり必要以上に体力を消耗するため気を付けてください。シャワーや風呂がない場合は、タオルをぬらすなどして首・わきの下・脚のつけ根の3点を冷やします。太い血管が通っているため、効率よく体を冷やすことができます。さらに、外で水を得ることができない環境では、とりあえず日陰で休みましょう。ベルトなどの体を締め付けるものはゆるめてください。屋外、屋内にかかわらず、回復がみられないときは、まよわず病院にいきましょう。場合によっては救急車を呼ぶこともためらってはいけませんよ。とにかく、熱中症は怖いものだということを覚えておいてください。

以上、熱中症についてお話しました。まずは熱中症にならない体づくりを!これからどんどん暑くなりますが、勉強・運動・遊びに全力で取り組んでください。

今年の目標 = 脱熱中症!!!! (;^_^A

008 平昌五輪に学べ!「ルールがわかると面白い」

(2018/02/26)
思い出します。リオ五輪!当サイトを開設当初からご覧いただいている方は覚えていたただいているかもしれませんが、サイト開設時の最初の記事がリオ・オリンピック・パラリンピックに関連する内容でした。2016年9月1日のことです。あれから1年半。皆さんのおかげで、ここまで続けてくることができました。まずは、感謝いたします。

さて、熱戦を繰り広げていた平昌冬季オリンピックが昨日閉幕を迎えました。これまで、どちらかというと「地味」「盛り上がりに欠ける」と言われてきた冬季オリンピックですが、何ということでしょう。。。超大盛り上がりではありませんかぁ!

正直、私自身、開幕を迎えるまでは、いや、原大智選手(スキー・フリースタイル・男子モーグル)が最初のメダルを獲得するまでは、テレビのスポーツニュースを見る程度の注目度でした。朝鮮半島がらみの政治ばかりがクローズアップされていたからです。美女応援団など、一度見たら「ごちそう様」です。スピードスケートの小平奈緒選手や高木菜那・美帆姉妹、フィギュアスケートの羽生結弦選手・宇野昌磨選手、もちろんスキージャンプの高梨沙羅選手、そして私の1歳先輩でもあるレジェンド葛西紀明選手など、注目している選手はいましたが、なんだか「おしらけモード」だったのです。しかし、(失礼ながら私の中では)無名の原選手が、今大会初の銅メダルを取ったというニュース速報が流れた瞬間、ハッと目が覚めました。仕事の合間はテレビにかじりつき、仕事が終わればスポーツニュースの毎日になりました。

本音を言うと、各競技、各選手について書きたいことがいろいろあるのですが、そこはぐっと抑えて本題に入ります。今回取り上げたいのは「カーリング」です。カーリングは、男子が長野オリンピック以来20年ぶりの出場、女子がルックスだけでなく銅メダル獲得により日本中を魅了しました。世間がこんなにカーリングに注目したことは、かつてありませんでしたよね。そこで質問。。。

あなたはカーリングのルールを知っていましたか?

私は知りませんでした。今回テレビで解説者の「指導」を受け、また、連日朝のワイドショー番組で元選手たちによる「布教活動」を受けることで初めて大まかなルールを知るに至りました。それまでは、相手のストーンを弾き飛ばして、自分のストーンを円の中に入れる競技という程度の認識でしかありませんでした。それが。。。

ルールがわかると面白い!

4対3で負けているにもかかわらず、すぐに1点を取りにいかず、0対0(ブランクゲーム)で次のエンドに繰り越す。なぜそんなことをするのかがわかったときから、すっかりカーリングのとりこになりました。「こんなに奥が深いのか!」「ただ単に点数を取るだけのゲームじゃないんや!」と。「氷上のチェス」と呼ばれる理由が今ではよくわかります。

おっと、そろそろ話を勉強に向けないと。。。このままカーリングの話だけで終わってしまいそうです。私が今日伝えたいのは、先ほど述べた、「ルールがわかると面白い!」ということです。これって、勉強も同じだと思いませんか?私の指導する英語で言うなら、ルールとはやはり英文法のことでしょう。英文法がわかると英語そのものを勉強するのが面白くなると思うのです。

「英語は言葉だから、耳で聞いて、口で話して(声に出して読んで)習得するものだ」という人がいます。まったくその通りで、これには何の異論もありません。しかし、そのことと英文法を対立軸において、英文法を悪者扱いするのには納得がいきません。確かに、将来英語を話せるようになるには、英語をたくさん聞いて、たくさん話す以外に方法はありません。でも、将来的な目標の一歩前には「大学入試に合格する」という別の目標があります。そして、それには英文法の習得が必須だと言えます。最近では、いわゆる文法問題を出題しない大学が増えてきていますが、大学入試で扱われる長文の多くが評論文やエッセイで、その難解な構文を読み解くには英文法の知識が欠かせません。ましてや、多くの国公立大学の二次試験で出題される英作文などは、文法的に正しい文を書かない限り1点ももらえません。つまり、英文法は英語を読み書きするためのツールでもあるのです。言い換えれば、英文法がわかるから英語を読んだり書いたりできるようになるのです。

そもそも大学入試の難しい長文を読むには、語彙力が必要ですよね。ご存知のように、単語や熟語は簡単に身に付くものではありません。ほとんどの人にとって、単語の暗記など苦痛でしかないのではないでしょうか?苦労してたくさんの単語の意味を覚えても、英文法がわからないために文が読めない、書けない。これでは英語が面白いなんて思えるはずがありません。英文法だって、覚える段階では苦痛を伴います。でも、英文法はルールです。ルールがわかることで、「次のわかる」すなわち「文が読める・書ける」が待っているのです。

くしくも、昨日は平昌五輪の閉会式の日であると同時に、国公立大学の二次試験の日でもありました。それは次年度の受験生に残された時間が1年であることを意味します。これから受験勉強を始めようという人は、よく考えてください。耳で聞いて、口で話す(読む)「だけ」で、大学入試に合格するだけの英語力を身に付けられると思いますか?答えはNoでしょう。たくさん聞いて、たくさん話して(読んで)ください。しかし、今すぐに英文法の勉強を始めてください。

ルールがわかると面白い!

英文法がわかると英語の勉強が面白くなるはずです。面白くなると勉強が加速度的にはかどるようになります。そして、苦労して習得して語彙を使えるようになります。だから、読むことも書くことも楽しくなるのです。

昨日、国公立大学の二次試験を受験したある生徒の、今季最後の授業が3日前にありました。その際、お母様からこんなお言葉をいただきました。

大変お世話になりました。
先生に教えていただいて本当に良かったです。
英語の勉強は受験が終わってからも続けるって言ってます。
英語が面白くなったって。。。

昨年8月、初めてその生徒と出会ったとき、マーク模試の成績は80点台(200点満点)でした。そこから英文法を徹底的に鍛え上げ、長文へのアプローチ法を指導しました。11月からセンター試験の過去問を解くようになり、12月には140点台をキープするようになりました。そして、年が明けてセンター試験本番で見事に150点台の点数をたたき出し、昨日受験を終えました(合否はまだわかっていませんが)。この結果のきっかけは間違いなく英文法です。

カーリングも英語も、まずはルールから、ですね!

007 受験シーズン到来!

(2018/01/02)
あけましておめでとうございます。2018年もよろしくお願いいたします。

さて、1月12日・13日には2018年度の大学入試センター試験が行われます。いよいよ今年度も入試が始まるか、という気分になりますね。センター試験が終わると、私立高校入試、私立大学入試、私立高校推薦入試、国公立大学前期試験、公立高校入試、国公立大学後期試験と、入試のオンパレードです。もちろん、一番大変なのは実際に試験に臨む受験生なのですが、私の場合、間接的とはいえ毎年この怒涛の3か月を経験します。

この時期、受験生の多くは不安を抱えています。特に大学受験生で、12月に受けた模擬試験の結果が芳しくなかった受験生はそうでしょう。(「芳しい」→受験生の皆さん、読めますか。「かんばしい」は国語で大切な漢字ですよ!)そういう意味で、12月の模試は重要です。最後の模試をどう終えるかは、受験直前のメンタルに大きくかかわるからです。でも、たとえ模試の成績が芳しくなかったからといって、落ち込むことはありません。実際に受験生、特に現役生の成績が最も伸びるのは、受験前1か月です。まだまだチャンスはあります。あきらめずに試験当日まで駆け抜けましょう。

そう言われて、「ハイ、わかりました」とはならないことぐらい私だってわかっています。塾講師や家庭教師の仕事は勉強を教えることであることは間違いありませんが、この時期はむしろ受験生のメンタル面の管理の方が重要な仕事といえます。安心して受験に臨んでもらうには、模試の成績表に現れる数値以上に、最後の1か月で何をどうやったかが大切なのです。「やるだけのことはやった」「ここまで覚えたから大丈夫だ」と自信をもってもらうには、まず私が「教えるべきことは教えた」と自信をもって言ってやれなければなりません。もちろん、口先だけの言葉ではなく、実際に授業の中でそれを実感してもらわなければなりません。そんな思いで、今年もまたこの時期を迎えています。

私は、受験前の1か月は入試の合否だけでなく、人生を大きく左右すると思っています。進学によって人生を切り開こうとしている人にとっては、受験は人生の大きな分岐点です。その分岐点を目前に控えたこの時期は、まさに人生を大きく左右する時期と言ってもよいでしょう。だから、実は入試の合否以上に、「この1か月を頑張りぬけたか」が大切なのです。入試に悔いを残す人の多くが、最後の1か月を頑張りぬいたと自信をもって言えない人です。頑張りぬけずに不合格になった人は自業自得ですが、中には、見事合格を勝ち取っても、最後の1か月の不完全燃焼のせいで悔いを残す人がいます。逆に、残念ながら不合格になっても、悔いなく次のステップを踏める人もいます。他人は結果だけで判断しますが、自分にとってはプロセスが重要なのがよくわかりますね。受験生の皆さん、目の前の受験を、そして、その後に広がる人生を悔いなきものにできる最後のチャンスです。あともう少し、ありったけの力で駆け抜けてください。そして、最後は何も恐れることはありません。

自信をもってぶつかって来い!

006 英語講師『コード・ブルー』にはまる

(2017/09/06)
ここ最近、TVドラマを見るようになりました。そんなものとは無縁の生活だった私が最後にドラマを見たのは…もう記憶にありません。少なくとも15年以上は前のことだったと思います。塾や予備校に勤めていたころは、仕事を終えて帰宅するのは夜中や明け方。1時間集中して見なければならないドラマに費やす時間も気力もありませんでした。帰ってテレビのスイッチは入れるものの、持ち帰り仕事のためパソコンや問題集と格闘しながらBGM的に気を紛らせてくれるもの。それが私にとってのテレビでした。しかし、家庭教師を主な仕事とするようになって、時間的余裕が生まれ、半年ほど前から再びドラマを見るようになりました。

先日まで見ていたのがフジテレビの月9ドラマ『コード・ブルー ~ ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON』。2008年に初公開された『コード・ブルー』は、日本の救命事情を変えたともいわれるドクターヘリに乗り込む若き救命医たちの成長を描いた物語です。放送前年に公布された「緊急医療用ヘリコプターを用いた救急医療に関する特別措置法」(通称:ドクターヘリ特別措置法)により、ドクターヘリの認知度を上げようという動きに一役買ったともいわれています。09年にはスペシャル、10年には2ndシーズンが放送されました。そして2017年、『コード・ブルー』は3rdシーズンとして復活。初回から9年を経た主役の5人(山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介)のフライトドクター・フライトナースとして、また、役者としての成長ぶりも見どころの一つでしょう。

と、偉そうなことをつづってきましたが、15年以上もドラマとは無縁だった私が1stシーズンや2ndシーズンをテレビで見ているはずもなく、3rdシーズンに「ドはまり」して、あわててDVDで前作をむさぼり見るという始末でした。

で、気づいたことがあります。「私はとことん英語講師だ」と。。。

それは私のドラマの見方です。さすがにテレビドラマをやっているようなゴールデンタイムには授業が入っているため、ハードディスクレコーダーに録画して深夜や翌朝に楽しむのですが、その見方は英語の「長文学習法」そのものだということに気づいたのです。

まず初めに、細かいことは気にせずにストーリーを楽しみます。あらすじがわかればいいという感じですね。もちろん、大学入試の英文とちがって、ドラマはこの瞬間が一番楽しいし、録画していない限り、止まることなく流れるストーリーがすべてです。もちろん、私もそう感じます。しかし、録画している(あるいは、DVDで見ている)私には、次があります。

1度見た映像を再度見るのです。2度目は分析的に、セリフの意味や行動の理由、顔の表情が伝えたかったことなどを頭を使って考えていきます。また、映像の場合、複数の場所で同時に起こっていることや複数の出演者が頭の中で考えていることはカット割りされて、継ぎはぎにされます。それを頭の中でつなげていくのです。例えば、2ndシーズン第7話には、フライトナースの冴島はるか(比嘉愛未)が仕事中にもかかわらず、病死した恋人が生前に残した携帯電話の留守番メッセージを聞いていたためにサテンスキー(止血のための道具)をフライトバッグに入れ忘れ、現場でドクターの藍沢耕作(山下智久)と白石恵(新垣結衣)が止血できない、という場面がありました。見れば誰もが理解できるような場面ですが、最初に見たときには気づかなかったことがありました。現場で冴島がサテンスキーを忘れたことに気づく10分ほど前に、病院内でほんの2秒ほどサテンスキーがクローズアップされるシーンがあったのです。こうしてカット割りを頭の中でつなげていくことで、たった2秒の何気ないシーンがもつ大きな意味がわかります。

そして、さらに3度目へ。『コード・ブルー』は医療をテーマとしたドラマです。そのため病名や薬品、医療器具などの専門用語が出てきます。上記の2ndシーズン第7話で、なんとか止血に成功し、ヘリで患者を搬送する際、白石が冴島に「アルブミン新しいのに替えて」といいます。「アルブミン?前にも聞いたことがあるはずなのに、何だっけ?」と思って、ネットで調べました。そうです。3度目はわからない言葉を調べるのです。アルブミンは血清中に存在し通常は肝臓で生成されるたんぱく質のことで、大量出血時に輸血と共に投与されるようです。調べているうちに思い出しました。1stシーズンの最後に、黒田(柳葉敏郎)が藤川(浅利陽介)に「RCC20単位、アルブミン、ビカーボン、あるだけ持って現場行ってこい」と言っていたことを。こうして、薬品の効果や機材の用途がわかることで、ストーリーが一層面白く感じられるようになりました。もちろん、3rdシーズンで緋山(戸田恵梨香)が名取(有岡大貴 – Hey! Say! JUMP)にアルブミン投与の指示を出した際には、すぐにその状況が理解できました。専門用語がわかることで、状況がスムーズに想像できるようになったのですね。

こうして2度、3度と見ていくうちに、新たな疑問が生まれたり、見落としに気づいたりして、新たな発見が増えていきます。ストーリーだけではありません。制作に携わった人の技術や発想に感心を覚えたり、ドクターヘリの現状に興味をいだいたり…どんどん自分の世界が広がっていきます。これって、勉強も同じではないでしょうか?

私は英語の長文を指導する際に、何回も音読させます。たとえ内容がわからなくても、1回目は辞書を使わずに、入試本番のつもりで自力で最後まで読み、そして問題を解きます。2回目は解答・解説書や辞書を片手に、声には出さず、細かく理解していきます。接続語句の使い方や文章の展開にも注意してじっくり読み込むのです。いわゆる精読というやつです。そして、3回目以降は超ハイスピードで音読します。最低でも10回、通常は20回速読します。こうすることで、読解スピードが上がるだけでなく、リスニング力や語彙力も向上し、文章の内容そのものも知識として定着します。文章に書かれている内容を身に付けることを長文学習の目的の1つに数える人は少ないのですが、これは重要な学習要素の1つです。さきほどのコード・ブルーの例で、2ndシーズンでアルブミンがどんなものかわかり、どういう処置がなされたのかがわかったことで、3rdシーズンでは緋山の対応がスムーズに理解できたのと同じです。英語の知識に関わらず、身に付けた知識すべてが武器となり、英文読解を助けてくれます。だから、1つの文章(作品)を「むさぼりつくす」のです。

受験生になるとよく「1日1題」といって長文問題を解かされます。これはいわゆる「多読」という考え方で、語学習得における大切な方法の1つです。子どもがたくさん本を読んで世の中のことを知ったり、受験とは無関係の大人が読書で教養をつけたりするのには最適です。しかし、あと数カ月で入試本番を迎える受験生にとって、この方法は万人に有効だとはいえません。長い年月をかけいろいろなことを「自然と」身に付ける学習法では、短期間で必要な知識を「無理にでも」身に付ける必要がある受験生には不向きな場合が多いのです。特に受験生になってからまともに勉強を始めたような人は、「多読は受験が終わってから」と割り切って、2~3日に1題でかまわないので、じっくり文章をむさぼってください。

「英語は速く何回も!」です。同じものを何度も読むなんて、つまらないと思うかもしれません。新しいものをやらないと不安になるかもしれません。でも、私の生徒の多くが、こうして合格を勝ち取ってきました。これを読んでくれたあなたも同じであってほしいと思います。

「英語は速く何回も!」この言葉があなたにとってのドクターヘリになりますように!

005 キミは「東ロボくん」に勝てるか?

(2017/03/29)
2017年度の入試も終わりました。私の受け持つ受験生はおかげさまで全員合格を手にすることができました。今はもう次の受験生と共に対年度入試に向けてスタートしています。そんな中、昨年のあるニュースを思い出したので、ご紹介しようと思います。

2016年11月14日、夕方のテレビニュースに興味深い話題が流れました。AI(人工知能)が人間に挑戦したという話です。「AI vs 人間」といえば、囲碁でプロ棋士がコンピューター囲碁ソフトに敗れたというのが記憶に新しいですね。あの時もそうでしたが、単なる技術の進歩やコンピューターのすごさではなく、脅威に似た感覚を覚えたというのが正直な感想です。で、今回の挑戦は…

ロボットは東大に入れるか?

というものです。大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、東京都千代田区、所長:喜連川 優)が中心となって進める人工知能(AI)プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」は、決して興味本位の企画ではありません。2011年度にプロジェクトを立ち上げ、2013年度より毎年大学入試の模試に挑戦し、各年度の研究成果を評価・検証しながら技術課題を抽出してきました。そして、今年度までに大学入試センター試験の模試で高得点をマークすることが目標の一つでした。その結果を国立情報学研究所のプレスリリース(2016年11月14日発表)より以下に示します。

【結果概要】
センター試験模試は5教科8科目の合計で525点(全国平均454.8点)を獲得し、偏差値は昨年度に続いて57を超える57.1という成績を残しました。これは、私立大学の512大学1,343学部、また、国公立大学 でも 23 大学 30 学部において合格可能性 80%以上の成績に相当します。合格可能性 80%以上の判定となった大学・学部・学科の中には、「MARCH」「関関同立」と総称される関東、関西の難関私立大学群の学部・学科も複数含まれています。
科目別では、世界史B(偏差値66.3)で昨年度に続く偏差値65以上の好成績を記録しました。また、物理 は62点、偏差値59.0と昨年度の成績(42点、偏差値46.5)から大幅に向上しました。今年度は受験した5 教科8科目のうち数学(数学IA・数学ⅡB)、英語(筆記)、物理、日本史B、世界史Bの4教科6科目で、同じ模試を受験した約12万人の人間の平均を上回る偏差値50以上の成績をあげました。
一方、論述式模試では、数学(理系)で偏差値76.2という極めて高い成績を達成しました。この科目では、日本語で書かれた問題文を計算が可能な形式へと変換し、数式処理プログラムを用いて問題を解くまでのプロセスに一切人手を介さず、完全に自動的な求解を初めて実現し、6問中4問に完答しました。

以上、国立情報学研究所による結果概要でした。全国平均を大きく上回っているとはいえ、残念ながら目標である高得点とはいえず、東大合格とは程遠い結果です。私はこれを見て、「な~んだ、不合格じゃねぇか。コンピューターも大したことねぇなぁ」などとは全く思いませんでした。確かに、全体的には意外と低い点数だとは思いましたが、それよりも科目間の得点差の方が気になったのです。国語や英語の点数は伸び悩み、数学や物理で高得点を取っているところに着目しました。人間同様、AIにも得意分野と不得意分野があるのです。

コンピューターはデータを解析して結論を導き出します。数学や物理では、計算ミスはありえませんし、ほとんどの問題が定理によって成り立っているため、問題文の解釈(数値化)を誤らなければ得点はおのずと高くなります。しかし、一方で国語や英語には、「機械的」に解ける問題以外に「人間的」な感情を理解できなければ解けない問題が含まれています。今回のセンター試験模試の英語でも、AIは次のような問題を間違えています。

※AさんとBさんの会話を完成させる問題(実際は英文で選択肢あり)
A:疲れたなぁ。
B:(     )
A:ありがとう。
B:前にもほどけてたよねぇ。

答えには「靴ひも、ほどけてるよ」という意味の英文が入るのですが、AIが選んだ解答は「長く歩いたんだね」というものでした。データの分析では、疲れを引き起こす可能性が高いのは長時間(長距離)の歩行だったのでしょう。靴ひもがほどけているのは良くないこと→それに気づいて教えてくれた→良くないことを教えてくれたのでお礼を言う→よくほどけていることを指摘してくれる…このような善悪判断や「ありがたい」という気持ちをAIが理解するのは簡単ではないのです。

このように、AIに得意、不得意があることは、これからの社会を生きていく若者にとって非常に重要なことだといえます。一部の仕事においてコンピューターは人間に代わりえる存在だからです。大げさに言うと、「これまで人間のしてきた仕事 - コンピューターが代わりえる仕事 = これからの人間に残された仕事」だと言えるのではないでしょうか。英国オックスフォード大学の研究で、10年後には今ある仕事の90%がコンピューターで代用可能とも言われています。これからの世の中を生き抜く若者は、コンピューターにできない仕事ができる人間です。データにないことから物を作る創造性をもつ人はもちろん、コンピューターにはない「情熱」のようなものをもつ人が必要とされるでしょう。AIが発達すればするほど、「人間的」人間が求められるのかもしれない。そう感じざるを得ない「東ロボくん」のニュースでした。

004 中学校の教科書にがく然

(2017/03/07)
勉強にとって何よりも大切な教科書。どんなにいい参考書や問題集があろうと、やはり新しいことを初めて学ぶ際に最初にお世話になるのが教科書で、学生にとって必須の勉強道具だと言えます。昨年、2016年は、中学校の教科書が改訂された年です。ご存知のように、教科書は学習指導要領に従って、その内容が定められています。学習指導要領といえば、2020年の大学入試改革に伴い、小学校では2020年に、中学校では2021年に、そして高校では2022年に内容が刷新されると言われており(2018年より移行措置が始まります)、多くの有識者たちによりその内容は目下検討中です。検討中とはいっても、現時点ではゴールである大学入試のあり方そのものを話し合っている段階で、それがはっきりしない以上は小中高の学習指導要領の詳細を議論するにも方向性が定まりません。しかしながら、2020年以降の大学入試は、従来の断片的知識を暗記することで乗り切ることができた入試とは違い、複数の知識のつながりや知識の背景を論じる思考力が求められるものになるのは間違いありません。今年改訂された中学校の新しい教科書においても、子どもたちが自ら考えるように工夫されていたり、思考力を養う問題が多く掲載されていたりして、一目見て「昔の教科書とは違うなあ」と思える内容になっています。カラフルさや図表・写真の多さも手伝って、こんな教科書で学ぶことができるとは本当に今の子どもたちは幸せだと思います。

しかし、そんな教科書を見てがく然としたこともあります。中学校3年生の数学の教科書から「2次関数」ということばが消えているのです。2次関数は「関数y=ax2」となっています。つまり、「日常生活では使わない」数学用語の使用を嫌って簡素な表記にしたのです。

確かに、これまでの入試には、その問題が解けたからといって社会で役立つ実感の持てない非実用的なものも多く出題されていました。そのため、日本の教育を議論するとき、受験勉強はしばしば「悪者」として扱われてきました。そういう意味では、2020年の大学入試改革はまさに悪者退治だと言えます。しかし、そのことと日常生活では使わない数学用語を避けることを混同してはいけないと、私は思うのです。学力の格差を恐れるあまり(不適切なことばですが、いわゆる「落ちこぼれ」対策として)、難しい言葉の使用を避けたのであれば、それは本末転倒です。全体の学力を下げる結果になるのは明らかでしょう。y=ax2と聞いて曲線のグラフが思い浮かぶのに、2次関数と聞いてもそれが思い浮かばない子どもが増えてしまいます。このことは、「決定するのはまだ早い」と言われれば理解できるのに、「決定は時期尚早だ」と言われると理解できない大人を育てているのと同じだと思うのです。語彙力の低下はあらゆる学問にとどまらず、日常生活にも影響するのは当然のことです。

このように、科目に独特の用語を回避する動きは学力低下を助長するのではないかと危惧しています。2次関数ということばを使うから2次関数が分からないという人は、2次関数ということばを使わなくても2次関数が分からないはずです。それより、2次関数ということばを聞いて、「うん、うん、あれのことね」と頭の中に思い描ける子どもを育てることに努力する方が健全ではないでしょうか。思考力を養う教育を目指すのであれば、語彙力は必須です。私は、用語の意味をしっかり理解してもらえるように指導していこうと思います。

※すべての検定教科書において二次関数の表記がないかは確認しておりません。

003 何学部に進もうか?

(2016/12/22)
大学受験を真剣に考え始めるとぶつかる悩みに学部選択があります。「先生、私、どこの大学に行けばいいですか?」という相談はさすがにほとんどありませんが、「何学部に行ったらいいでしょうか?」「何学部が就職に有利ですか?」といった類の相談は山ほどあります。今回は、そのような質問にお答えしましょう。

このようなことで悩んでいる人のほとんどは、将来の夢や就きたい職業が不明確な人だと思います。医師や薬剤師、弁護士などの専門職(国家資格や専門的知識を必要とする職)になりたいのであれば、医学部、薬学部、法学部…を目指すべきなのは誰にでもわかることです。しかし、ざっくりとサラリーマンだったり稼ぎのいい仕事だったりすると、何を勉強してよいのやらわからないのも当然です。こんな時は、「先生に相談だぁ」ということで、学校の先生に相談したり、私に質問をぶつけてみたり。

しかし、期待して続きを読んでくださる皆さんのために、前もってお断りをしておかねばならないことがあります。それは…おそらく皆さんの「期待」を裏切る内容だということです。それでも我慢して読み進めてみてください。何かのお役にたてると信じていますので。

実は1990年台前半ごろまでは、皆さんの期待に明確に応えることができました。文系ならば法学部か経済学部が有利でした。「イケイケどんどん」で「働け!働け!」の高度経済成長期からバブル経済へと突き進む世の中では、大手企業になればなるほど「働き方」が問われ、海外企業や企業内の海外支社とのかかわりが重視されました。おのずと法務や労務、外国経済に精通した「即戦力」が必要とされたわけです。一方、理系であれば工学部が光を浴びました。完全に消費経済が定着し、使い捨て時代が到来した当時の日本は生産力を求めていました。理論重視の理学部より技術重視の工学部でした。ここでもキーワードは「即戦力」です。

しかし、今はどうでしょう? 20世紀に目まぐるしく変化した社内環境は一定の落ち着きを見せ、一家にテレビが2~3台は当たり前で、子どもまでもがスマホを操る時代になりました。また、日本が誇った技術力・生産力は海外支店・海外工場と共に中国や東南アジアに「移転」してしまいました。それだけではありません。これまで人間が手をかけ暇をかけして行ってきた仕事のほとんどは、パソコンにやらせれば一瞬で終わる時代になったのです。ここまで変わった日本でも、「20世紀の神話」は通用するのでしょうか? いや、もはや即戦力では通用しない時代になったのです。

即戦力があるというのは、明日からでも戦力になるという魅力がある一方、その時点で「すでに」ある程度の進化をしているということです。現在の多くの企業が求めているのは、「これから」進化を期待できる人材で、コンピューターのように「予測可能」では困るのです。つまりそれは、○○のスペシャリストが欲しいのではなく、何のスペシャリストに成長してくれるのかという期待やワクワクがほしい、ということなのです。そこには、コミュニケーション能力、想像力、創造力、行動力といった、単なるスペシャリティーにとどまらない幅広い人間力が求められています。

それでは、話を学部選択に傾けましょう。何学部にしようかという皆さんの質問にお答えします。結論は「何でもいい」です。期待に応える返事でなくて本当にすみません。しかし、これまで述べてきた現在の社会状況をふまえて、あえて結論だけを述べるとすれば、こう言わざるを得ないのです。とはいえ、これでは何のお役にも立てていませんので、学部決定の際のヒントみたいなものをお教えしようと思います。

一言で言うと、「単純な興味を探せ」です。つきたい仕事を無理やり決めようなどとハードルを上げず、ちょっと興味のあるものをいくつも挙げてみましょう(過去に興味があったものでもOK)。また、ニュースなどで疑問に思うことでもかまいません。ハードルをうんと下げて紙に書き出してみるのです。「クラシック音楽」「爬虫類ってカワイイ」「村上春樹の小説って最高」「鳥ってなんで飛ぶの?」「政治家って汚職ばっかり」「最近、ウチの近所は空き家が増えたけど、なんでだろう?」挙げだしたらきりがありません。爬虫類に興味があるからといって、生物学系に進むと決めつける必要もありません。トカゲの歩き方を面白いと思うなら、理学部に進んで物体の推進力(前進する力)について学んでもいいし、工学部に進んで四足歩行の災害救助ロボットを作ってもいいのです。小中高の机の上の勉強とは違い、大学ではこんなことでも研究材料になるのです。些細なことに目を向け、課題を見つけ、研究し、独自の結論を見出す。そして、それに4年間継続的に情熱を注ぐことができる。企業はそれを成し遂げる力を「人間力」と呼び、そんな人材を欲しているのです。このように考えれば、なんだか学部選択も前進しそうな気がしませんか?

それでは最後にもう一度最初の質問に答えましょう。
「なんでもいい、4年間を捧げられる具体的興味を探そう。それがキミの進むべき学部だ!」

学部選択の悩みも楽しめる人であってほしい、と切に願います。

002 英単語帳をどう選ぶか?

(2016/10/18)
秋が少しずつ深みを増してきましたね。今回は、そろそろ高校2年生が受験準備に入る時期ということもあり、受験用の英単語帳についてお話しようと思います。

夏休みが終わろうとしている8月末、神戸のジュンク堂(三宮店)の学習参考書コーナーで、高校3年生らしき男子2人の会話が聞こえてきました。どうやら英単語帳を選ぼうというのです。そこで、今回は「英単語帳をどう選ぶか」ということをテーマにお話していこうと思います。せっかくなので、書店で見かけた2人の男子の会話を借りながら話を進めていきましょう。(仮にA君、B君とします。)

2人に共通していることは、この夏休みに学校の補習授業に参加して「自分なりに」受験勉強をスタートさせたが、夏休みが始まるまではまともに勉強をしたことがなかったという点です。夏休みを通して英語長文の授業に参加したが、全然読めるようにならないのであせりを感じているようです。A君の英語の偏差値は40代前半、B君の方は不明ですが、話から察するとA君と同程度だと思われます。

さて、ここでA君が手にした単語帳は『速読英単語①必修編』(Z会出版)いわゆる『速単』です。この速単は1992年に初版が発売され、当時の受験生の間ではまったく新しい単語帳として話題になり、その人気は現在に通じています。「オレ、普通の単語帳みたいに1個1個覚えるより、教科書みたいな文章の中で覚える方が好きやねん」というA君。速単は文章の中で英単語を覚えるため、読解力や速読力がつくというのが売りで、そこがA君の興味を引いたのでしょう。しかし、マエ先生ならばA君に速単はお勧めしません。速単が悪いのではなく、A君の現状(これまでの学習状況)と受験までに残された時間を考えたときに、A君には不向きだと考えるからです。では、速単はどんな人にお勧めできるのでしょうか。

一言でいうと、「すでに基本的な英語力を持つ人」向けです。抽象的な言い方になりますが、「英語に対する経験値」がある程度必要だと考えています。高校1・2年生が学校で受ける長文のテストである程度の結果を残し、入試過去問の文法問題では文意を読み取るのに苦労しない程度の語彙力は持っていてほしいです。それを模試の偏差値でいうならば、高校1・2年生の模試では60以上、高校3年生の模試では55以上です。

もう1つは速単を使い始める時期です。遅くとも高校3年生の夏休みよりも前には導入してほしいです。速単は短期間で集中的に取り組むには不向きで、ゆっくり時間をかけて取り組むものだと考えています。入試本番まで半年を切っているような人にはお勧めしません。

以上のことからまとめると、『速読英単語①必修編』は英語学習ベテラン向けと言えます。これまでに見てきた英語学習ビギナーで速単を使用していた人たちの多くが、速単に掲載されている長文の中では意味がわかるのに、他の文章ではわからないというのです。文章の内容を流れで覚えてしまい、単語としては覚えられていないのですね。タイムリミットのある受験生は、このようなことは何としても避けなければなりません。わかったつもりは禁物です。

さて、先ほど速単はベテラン向けだと言いました。ですから、早稲田・慶応・上智・一橋などの超難関大を目指す人には、標準レベルの単語帳を終えた後の2冊目として『速読英単語②上級編』をお勧めしています。この場合は受験までの残り時間が6か月を切っていても問題ありません。勉強のやり方が身についていますし、たくさんの文章を読み込む時期に達しているからです。速単の本領発揮の段階だといえると思います。

では、A君はどんな英単語帳を選ぶべきなのでしょうか?私がお勧めするのは『ターゲット1400』(旺文社)です。A君もB君も甲南大学を受験したいと言っていました。(第一志望であるかは不明です。)甲南大学は神戸にある中堅私立大学で、偏差値は55前後の学部が多い大学です。英語長文のレベルはセンター試験と同等またはやや難程度です。マエ先生は、センター試験レベルまでは『ターゲット1400』を、それを超えれば(関西では関関同立)上位レベルの『ターゲット1900』をお勧めしています。

ターゲット・シリーズは、私が受験生のころから現在まで英単語帳の王道を突き進む良書です。時代に合わせて改訂しながら、コンピューター分析によるいわゆる「出る順」配列に単語が並んでいるのが売りとなっています。私はそれよりも「品詞順」配列になっているところが気に入っています。ご存知のように英文はSV…という構成になっています。SVの部分がわからなければ、誰が何をしたのか、つまり文の骨組みがわからないということになってしまいます。ターゲットは動詞・名詞・形容詞の順に配列されており、文全体の意味を正確にとらえられなくとも、骨組み部分からあらすじを読み取ることができます。長文読解において、これは非常に大切なことです。また、文法・語法問題には動詞関連の出題が多く、動詞から始まっている点が文法・語法問題にも役立つと考えています。

ここで高校2年生の皆さんに一言。国公立大学を目指すのであれば、そろそろ受験勉強に取り掛からないと、スタートが遅れれば遅れるほど現役合格は遠のきます。そこで、これから単語帳を購入しようという人は、まず自分の現状を冷静に判断しましょう。判断基準は、これにまでに学校のリーディングの教科書をしっかり勉強し、語彙力がそこそこ備わっているのかどうかです。「そんなの判断できないよ!」という人は、まずは本屋に足を運び、『ターゲット1400』を手に取り、Section 1(全100語)の意味を言えるかどうか確認してみましょう。70%言えれば十分基礎が備わっていると考えていいと思います。70%以上の人には『ターゲット1900』を、70%未満の人には『ターゲット1400』をお勧めします。購入したらそれを何度も繰り返し覚えて、3年生の夏休みに入るころには次の単語帳を購入する必要があるかどうかを判断します。『ターゲット1900』を使用していた人は『速読英単語②上級編』へ、『ターゲット1400』を使用していた人は『ターゲット1900』へとグレードアップです。もう一度言いますが、速単②は早慶上智、東大、京大、一橋大などの超難関大志望者向けです。その他の人は『ターゲット1900』をマスターすれば十分です。また、『ターゲット1900』だけで超難関大を乗り切る受験生も少なくありませんので、超難関大志望だからといって、無理に2冊目に取り組む必要はありません。まずは1冊、「これでもか!」と言わんばかりにやりきることが大切です。単語帳は1冊だけにして、プラスαは長文問題集を何度も読んで補充していくのもいいと思います。

今回は『速読英単語』『ターゲット』の2冊をご紹介しましたが、他にも多くの英単語帳があります。もちろん自分の好みでかまわないのですが、ここで述べたように学習状況と受験までに残された時間によって単語帳のタイプを選ぶことは頭の片隅に置いておいていただきたいと思います。学習ツール選びの際に時間的要素を考慮の材料に入れるべきことを覚えておいてもらえると、他教科の教材選びにも役立つのではないでしょうか。

001 我がモットーとリオ五輪

(2016/09/01)
この夏はリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックの夏でした。史上最多の41個のメダル数を獲得したオリンピックの日本選手たち。パラリンピックでも東京につながる24個のメダルが輝き、その健闘ぶりに日本中が喚起にわきました。マエ先生もその一人。睡魔と闘いながらテレビにかじりつく日々でした。まずはすべての選手たちに「お疲れ様でした」と言いたいですね。そして、「ありがとう」と。たくさんの感動と勇気をもらいました。

本サイト(マエ先生のEnglish a Go Go)を立ち上げるにあたり、このオリンピック・パラリンピック期間中に準備を進めてきたのですが、観戦しながら自分として再確認したことがあります。それは…

Great achievements never come by the easy way.
They are the results of painstaking study
of wise decision, and devotion to what is right
rather than to what is popular…

【日本語訳】
すごいことは簡単に達成できるものではない
偉大な達成は苦痛を伴う勉強(研究)の結果であり
賢明な意思決定と
みんながやっていることではなく
自分が正しいと思えることへの献身の結果なのである

これはマエ先生が長年モットーとして語ってきたことです。“painstaking study”(苦痛を伴う勉強)の部分を“painstaking training”(苦しいトレーニング)に置き換えてみると、まさにオリンピック・パラリンピックの選手たちに当てはまりますね。勉強もスポーツも仕事も…偉業を成し遂げるには苦痛を伴います。今これを読んでおられる人の中には、これから受験を迎えたり、スポーツの大きな大会を迎えたり、仕事で新しい取り組みをしたり、さまざまな挑戦に立ち向かう人もおられるでしょう。オリンピックやパラリンピックのような大きな大会で金メダルを目指すのではなくとも、気持ちのうえでは負けないようにしましょう。自分を信じて、支えてくれる人を信じて。

私にとって、このサイトの立ち上げは新たなスタートです。たずさわった生徒たちの成績上昇と志望校合格を目指します。オリンピック・パラリンピックの選手たちが試合やレースを終えて監督・コーチに感謝の念を述べるように、私も最後には生徒に「ありがとう」と言ってもらえるように頑張りたいと思います。また、直接指導することのない当サイトの閲覧者の方にも役立つ情報を発信していきたいと思います。

以上、所信表明を兼ねて、私のモットーを再確認しました。今後、マエ先生のEnglish a Go Goをよろしくお願いします。

Maestro Projects080-4010-01379:00 - 22:30(月 - 土)